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横断歩道で譲られた場合でも歩行者妨害で道路交通法違反になるのか?

歩行者妨害は危険

歩行者が譲ってくれたのに歩行者妨害!?

横断歩道を渡ろうとしている人がいたから停止。

歩行者が譲ってくれたから進んだのに警察官に止められて違反切符を切られた!!という方は多いのではないでしょうか?

運営者のこまるくんも自動車免許取得したばかりの時に譲ってもらって進んだ時に違反切符を切られた経験があります。

納得いかなかったので警察官に抗議しましたが駄目でした。

 

気になったので様々の側面より「道交法上の条文で明らかに違反とならない」という弁護士がいたり「違反切符を切る」警察官がいます。

 

何が真実なのか細かく解説していきます。

  1. 歩行者妨害の根拠となる法律と条文
  2. 条文解釈
  3. 横断歩道で譲られて進んだのに歩行者妨害となるのか
  4. 刑事事件化と違反点数・反則金納付を比較
  5. 歩行者妨害とならない対処法

歩行者妨害の根拠となる法律と条文

歩行者妨害が規定されている根拠となる法律は以下に掲げる道路交通法です。

第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
引用元:道路交通法 | e-Gov法令検索

今回は道路交通法38条第1項が関係します。(第2項及び第3項は省きます)

条文解釈

条文をわかりやすく変換

まず、細かく条文を難しい言葉からわかりやすい言葉に変換します。

 

自動車やバイク等は、横断歩道や自転車が横断する場所(横断歩道等)に近づいたときに、自車が進む方向にある横断歩道等を渡ろうとしている歩いている人や自転車(歩行者等)がいないことが、だれが見てもわかる場合を除いて(①)、

渡ろうとしている歩行者等がいる横断歩道等の直前(標識等があるときは停止線の直前)で止まれるスピードで進まなきゃダメです。(②)

この時、横断しようとしている歩行者等がいるときは、横断歩道等の直前で一旦止まる + 歩行者等の通行を邪魔しないようにしなきゃだめです。(③)

条文解釈

① 渡る人がいない・・・車で横断歩道等に近づいた時に、人や自転車がいないことが、誰が見てもわかる場合はスピードを落とさず、安全な速度で走行できます。

② 渡るかもしれない人がいるとき・・・スピードを落として、歩行者等が渡ることに備えて横断歩道等の直前で止まれる速度で走る必要があります。

③ 渡る人がいるとき・・・直前で「一旦」止まったうえで、さらには歩行者等が渡る邪魔をしたらダメです。

横断歩道等で譲られて進んだのに歩行者妨害となるのか

様々な見解があるのでまずは理由を述べていきます。

条文を素直に読む

条文を見る限り「譲ってもらったときは歩行者行者妨害にあたらない」という言葉の記載がありません。

つまり、条文解釈上は要件に当てはまれば歩行者妨害にあたる可能性があると言うことです。

条文の反対解釈

一旦停止したうえで、歩行者が通行する邪魔をしなければ歩行者妨害に当たらないと読むこともできます。

条文の拡大解釈

一時停止する(A)ことや通行を妨害しないようにしなければならない(B)と書いてあるが、歩行者より先に進行してはならないとの記載がない為、(A)(B)により安全性が確保できれば進むことが可能ではないかと考えることもできます。

その他の意見

歩行者等が譲った時点で、横断歩道等を渡る意思を一時停止していることから、歩行者妨害にあたらないという見解もあるようですが、これは条文に記載の無い事項ですし、渡る方の主観的な話であり、なにより歩行者の心の中で思っていることですから、そもそも歩行者妨害にあたるか否かの判断ができないため、現場の状況から客観的に判断せざるを得ないでしょう。

警察官の考え

  • 条文上、進んでよいとは書いていない
  • 譲ってもらったからといって通行妨害をしていないとは限らないのでケースバイケース

警察官の言い分もわかります。

譲ってもらっても歩行者のちかくギリギリを走行したり、譲ってもらって急にスピードを上げて横断歩道等を通過するなど安全に走行しない自動車等は多数存在します。

ニュースで見た内容に対する私的見解

ニュースで大きな話題となっており、ニュース内で聞いた発言ですが「一時停止を行い、歩行者に先に横断歩道を渡るよう促し、それでも歩行者に譲られた場合、歩行者妨害とならないことが条文上明らか」とのこと。

 

一時停止は条文に記載はあるので、この点は明らかと言えるが、譲られた場合については条文に記載がありません

条文の記載がある「通行を妨げないようにしなければならない」という点においては、条文上明らかと言うのはいささか疑問はあるが、一時停止後、歩行者に先に横断歩道を渡るように促したうえで、歩行者に譲られたのなら、通行を妨げているとは言えない=歩行者妨害をしているとは言えないと論理的に導くことは可能だと考えます。

懸念していること

ニュースで大きな話題となって、「譲られたなら歩行者妨害にならないのか!!」を勘違いし、結局歩行者妨害にあたる人が増えそうだなと思っています。以下に一例を挙げます。

  • 譲られたと勘違いして進んでしまう
  • 早めの段階で譲られたからと一時停止しないで進んでしまう
  • 譲られたからと進んだ時に歩行者の近距離を進む
  • 譲り譲られの後、スピードを上げて歩行者の後方を進む
  • 譲られたからと進んだが、歩行者も横断歩道を渡ろうと動いている

これらの内容は歩行者妨害となる可能性があり、交通の危険を生じさせる可能性が高いので絶対やめましょう

結論

これらを守ることで道路交通法違反とならない可能性は高まるが、結局のところ歩行者妨害にあたるか否かは状況によるということです。

 

刑事事件化と違反点数・反則金納付を比較

違反点数と反則金

違反点数

横断歩行者等妨害等

通常 2点

酒気帯び0.25未満 14点

酒気帯び0.25以上 25点

引用元:交通違反の点数一覧表-警視庁

反則金

大型車 12,000円

普通車 9,000円

二輪車 7,000円

小型特殊 6,000円

原付車 6,000円

引用元:反則行為の種別及び反則金一覧表-警視庁

刑事事件における罰則

違反であることを認めない場合、無罪となればよいのですが、無罪とならなかった場合は上記の点数と反則金では済まず、刑事事件となり、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となる場合もあります。

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
二 第三十条(追越しを禁止する場所)、第三十三条(踏切の通過)第一項若しくは第二項、第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第四十二条(徐行すべき場所)又は第四十三条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者
引用元:道路交通法/e-Gov法令検索

※上記条文は本件と関係ない前後各号は省略しております。

 

違反とされている内容に納得がいかなくて争う場合は、弁護士に依頼する料金も発生するかもしれません。

違反切符による反則金納付(反則金を納付すれば刑事訴追されない)と、刑事裁判で争って金銭・労力・リスクを比較して泣き寝入りして反則金の納付を選択する人はものすごく多いと思います。

 

歩行者妨害で止められた運営者も納得いきませんでしたが、ノーリスク即時解決という道を選択したため、渋々反則金を納付した過去があります。

 

運転者のダメージを最短・最小限に抑える方法の一つとして覚えておくのもいいかもしれません。

歩行者妨害とならない対処法

現段階

以下の例のような証拠となる記録があることで歩行者妨害とならない可能性があります。
①指定停止位置又は横断歩道の手前の安全な箇所で一時停止を実施した
②先に運転手が譲ること
③歩行者が譲り返してきた
④安全確認する(歩行者は動いていない、ほかに歩行者がいない等)
⑤歩行者との関係で安全が保って(急発進しない、直ちに止まれる速度で進む等)進む
これらのことからドライブレコーダーの設置をお勧めします

そしてなにより、歩行者妨害とならない一番安全な方法は、やはり運転者が譲って、歩行者に先に横断歩道を渡ってもらうことですね。

将来への願い

例えば、条文に「ただし、譲ってもらったときは直ちに止まれる安全な速度と方法で進行することができる」のような、譲ってもらったときは歩行者妨害が免除されるような例外規定が追加されると安心できますね。

 

譲り譲られを相互に快く尊重できる法整備がなされることを切に願います。

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