退職届が受理されない-労働基準監督署や法律相談する前にできること
退職届や退職願が受理されないときにどうすればいいか
何度上司と話し合っても退職届(退職願)が受理されなくて退職できない・・・
しかし、労働基準監督署に相談して動いてくれるのか不安だ・・・退職代行や法律相談をすると料金が高いから困る。
本日は、自分でもできる退職方法について解説していきます。
退職届と退職願とは?違いについて
退職願とは
「退職したいです」という意思表示のために提示することを言います。口頭でも書面でも構いませんが、通常言った言わないのトラブル回避のために退職願という書面を提出します。
退職届とは
「退職したいです」という意思表示のあとに正式な手続きに移行するために提出するものです。こちらも書面を提出すると良いでしょう。
使い分け
多くの企業では退職願で退職手続が進行します。退職の流れについては上司に聞いておきましょう。
誰に渡すのか
退職願も退職届も所轄部署の直属の責任者に提出します。
課長や部長がこれにあたります。主任など現場の責任者では足りない場合があります。
又、中小企業では課長や部長がいないケースもあります。社長の前に責任者が一人しかおらず、業務の指揮監督をしているならその責任者や社長に直接提出することがあります。
会社は退職届を拒否できない
労働者には退職の自由が「当然」認められており、会社側の都合で退職届の受理を拒否ことはできません。
拒否できてしまうとすれば、会社都合で一生辞めさせないということが起きてしまうということが一つあります。
退職の意思表示をすれば必ず退職できるのでご安心ください。
拒否された場合でも退職できるのですが、手続きがうまく進まないこともありますので以下の方法で進めることができます。
自分でやる方法
金銭的な問題等で第三者に依頼する方法ができないときは、自分で頑張るしかありません。
代表的な方法を三つご紹介します。
方法1-内容証明郵便の送付
配達記録付き内容証明郵便を送付する方法があります。
詳しくは日本郵便株式会社/内容証明のウェブページをご覧ください。
かみ砕いていうと、誰が、誰に対して、どんな内容の文書を送付し、何月何日何時何分に届いた(到達した)かを証明します。
内容証明郵便の利点は、受取拒否しても相手方に到達したものとして扱われるため、受け取り拒否をした相手方は内容を確認できないまま受け取ったことになります。
受け取らないことは相手方にとって損をするだけということです。
又、書き方について注意点もありますのでも日本郵便株式会社/内容証明 ご利用条件等を併せてご覧ください。
わからない場合は、弁護士か行政書士に相談してみるのもいいかもしれません。
行政書士は安価で内用証明郵便の作成・提出代行をしてくれる場合もあります。
方法2-一般論通り約1か月後に退職
一般的に退職願を直属の責任者に提出してから、一か月後に退職することが多いのではないでしょうか。
転職先が決まっていた場合、これ以上引き延ばすことが困難(新しい就職先よりやめる職場を優先したら信頼性に関わるため)となります。
次の就職先にもよりますが、何としてでも退職するしか方法がありませんのでこの方法をとることがあります。
約一か月という期間はもめにくい期間でもあります。
方法3-法律に従って2週間等
民法では以下のように定められており、かみ砕いて説明します。
1.雇用の期間が5年を超え、又はその終期が不確定であるときは、当事者の一方は、5年を経過した後、いつでも契約を解除することができる。
2.前項の規定により契約の解除をしようとするときは、使用者は3箇月前に、労働者は2週間前にその予告をしなければならない。
引用元:wikibooks/民法626条(期間の定めのある雇用の解除)
第一項は、5年以上の契約期間で退職日が決まっていない場合は、5年を経過したときにいつでも退職可能という話です。
第二項は、第一項の補足で、会社側からは3か月前やめてほしい旨を伝え、労働者側からは二週間前にやめることを伝えないといけません。
1.当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2.期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3.六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三カ月前にしなければならない。
引用元:wikibooks/民法627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第一項は、期間が決まっていない場合はいつでもを伝えることができ、退職を伝えてから二週間経つことで雇用契約が終了します。
第二項は、給料が期間によって定まっている(二か月ごとに契約更新する契約社員等)場合は、次期以降にやめることができるけど、当期中にやめることを伝えないといけません。
第三項は、半年以上の給与期間を定めた時は、三か月前にやめることを伝えないといけません。
民法626条、民法627条を見てみると、期間という条件に応じて退職を伝えれば退職できることになっています。
この無理やり辞める方法は、自分の精神状態が危険な時等、自分を守るための最終手段であって、基本的には労働者と会社側で話し合って円満退社することをお勧めします。
第三者にお願いするしかない場合の注意点
第三者に依頼する場合は条件がありますのでそれぞれしっかり把握しておきましょう。
方法1-労働基準監督署
労働基準監督署に相談する場合は、辞めたい意思を伝えたけどやめることができない証拠が必要になることがあります。
あまりやりたくない手段ではありますが、会話の秘密録音や退職を伝えた後の経緯等、労働基準監督署にわかりやすいように証拠を収集し文章をまとめて置きましょう。
方法2-退職代行
業者による退職代行はうまくいけばスムーズに進みますが、うまくいかないケースもあります。
退職代行業者は、他人でしかないので、会社側が聞く耳を持たず、また、代行業者には退職について代理交渉できる権限はありませんのでお金の払い損で終了してしまうケースもあります。
方法3-弁護士に依頼する
この方法が最も早く安心です。会社に対して本人に代わって代理交渉ができるためスムーズに進みます。
しかし、料金が高めなのが気になる点ではあります。
まとめ
覚えていてほしいことは、冒頭の通り、会社側が、労働者の退職の意思表示を拒否できない為、必ず退職できるという点です。
退職したいと伝えると暴言を吐かれるケースや退職の意思を伝えた後から上司の態度が悪いなどのケースもありますが、そのような会社は、なおさら退職したほうがいいかもしれません。
上記の方法2パターン各桟種類の方法等で退職しましょう。
将来に向かって働きたい職場で楽しく働けるように頑張りましょう。
できる限り円満退社できることを願っています。
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